物価上昇は怖い?値上げ時代に知っておきたいお金の考え方

くらしとお金のアドバイザー、ファイナンシャル・プランナーの水島幸代です。

スーパーでの買い物や、ガソリン代を払うとき、「以前より高くなったなぁ…」と感じる場面が増えてきました。 物価上昇というと、どうしても”悪いこと”のように感じやすいものです。

でも、経済全体で見ると、物価がゆるやかに上がっていくこと自体は、実は自然なことでもあります。

物価と賃金はセットで動く

企業の原材料費や人件費が上がれば、商品やサービスの価格も上がります。逆に、物価がずっと上がらない社会では、企業の利益も増えにくく、結果として給料も上がりにくくなります。 つまり、物価上昇と賃金上昇は本来セットで動くもの。だから「物価が上がること自体」が、必ずしも悪いわけではないのです。

それでも、家計への負担は現実

もちろん、急激な値上がりは家計への負担が大きくなります。
食費・光熱費・教育費・医療費など、毎日の生活に欠かせない出費が増えると、不安を感じる方も多いでしょう。

なぜ今、物価が上がり続けているのか

今の物価上昇は、単純に「企業が値上げしたい」からではありません。
世界的なエネルギー価格の高騰や、円安による輸入コストの上昇、そしてコロナ禍以降のサプライチェーンの混乱など、複合的な要因が重なっています。

さらに、長年続いた人手不足を背景に、賃上げの動きが広がっていることも価格に影響しています。

つまり今起きていることは、日本だけの話でも、一時的な現象でもなく、世界規模の構造的な変化の一部。
だからこそ、「そのうち元に戻るだろう」と待つより、今の環境を前提に家計を考えることが大切になってきています。

知ったうえで、できることから始める

「構造的な変化」と聞くと、余計に不安になるかもしれません。
でも、だからこそ「備えられる」とも言えます。

まず大切なのは、家計の現状を把握すること。
毎月の支出を見渡して、「固定費で見直せるものはないか」を一度確認してみるだけでも、気持ちの余裕が変わってきます。

そして、節約だけに頑張るのではなく、お金に少しずつ働いてもらう意識を持つこと。
積立投資のような小さな一歩でも、続けることで物価上昇への耐性は着実についていきます。
「完璧な対策」より、「やめない習慣」の方が、長い目で見てずっと力になります。

「現金だけ」では、追いつかないことも

日々の備えと並んで、資産の持ち方も見直すきっかけにしてみましょう。実は、物価が上がり始めると、投資信託・株式・不動産などの資産価格が上昇することもあります。
企業の売上や利益が増えれば株価に反映されることがありますし、モノの価値が上がれば不動産価格や家賃にも影響します。

つまり、「現金だけ」で資産を持っている場合、物価上昇によってお金の価値が目減りしてしまうことがあります。たとえば、以前は100円で買えたものが120円必要になれば、100万円の現金を持っていても、買える量は減ってしまいます。

これがいわゆる「インフレに負ける」という状態です。

「上がることがある」と知って備える

だからこそ大切なのは、「物価は上がることがある」という前提で、家計と向き合っておくこと。

特別なことをする必要はありません。
まずは毎月の生活費を把握し、無理のない範囲で資産形成を続けていくこと。
そして、急な値上がりが起きても「ここなら見直せる」という支出のポイントを、日頃から考えておくことです。

不安と上手につきあう

最低限の生活費の上昇分を、資産運用の利益で少しずつ補えるような状態を目指していく。
そんな視点を持つだけでも、物価上昇への不安はずいぶん変わってきます。

不安な情報に振り回されすぎず、仕組みを理解して準備しておけば、必要以上に怖がらなくても大丈夫。

自分のくらしに合ったペースで、落ち着いて向き合っていきましょう。

→ 「いくらあれば安心?」が決まらない理由

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