相続のしくみをやさしく整理|知っておきたい基本ルール

くらしとお金のアドバイザー、ファイナンシャル・プランナーの水島幸代です。
相続について調べてみると、専門用語が多くて、少し難しく感じることがあります。
「結局、何がどう決まるの?」と戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。
今回は、相続の基本的なしくみを、やさしく整理してみたいと思います。
相続は「誰が」「どれだけ」受け取るかで決まる
相続は、大きく分けると
「誰が相続人になるのか」と「どのように分けるのか」
この2つで成り立っています。
まず、「誰が相続人になるか」は、法律で決まっています。
配偶者は常に相続人となり、これに加えて、子ども、親、兄弟姉妹といった順番で権利が決まります。
そして、「どのように分けるか」についても、法律で目安となる割合(法定相続分)が定められています。
必ずしも、その通りに分ける必要はない
ここで大切なのは、法律で決まっているからといって、必ずその通りに分けなければならないわけではない、ということです。
相続人全員で話し合いができれば、分け方を自由に決めることもできますし、あらかじめ遺言を残しておくことで、自分の意思を反映させることもできます。
つまり、法律はあくまで「基準」であって、それをどう活かすかは、それぞれのご家庭によって異なります。
期限があるから、慌ただしくなることもある
もうひとつ、意外と見落とされがちなのが「時間」です。
相続では、亡くなってから10か月以内に、相続税の申告や納付を行う必要があります。
この期間の中で、財産を把握し、分け方を決め、必要な手続きを進めていくことになります。
もともと気持ちの整理が追いつかない時期に、慣れない手続きや話し合いを進めなければならない——それが、相続の現実でもあります。
その結果、少しの行き違いや認識の違いが重なって、関係がぎくしゃくしてしまうこともあります。いわゆる「争族」と呼ばれる状態は、こうした背景から生まれることも少なくありません。
トラブルの多くは「わからないこと」から生まれる
相続というと、「もめる」というイメージを持たれることもあります。
実際に、分け方をめぐって意見が食い違うケースもあります。
ただ、その背景を見てみると、
・何がどこにあるのかわからない
・本人の考えがわからない
・どう進めればいいのかわからない
といった、「わからないこと」が重なっている場合も少なくありません。
逆に言えば、こうした点が整理されているだけでも、手続きはぐっと進めやすくなります。
自分の意思をどう残すか
しくみを知ったうえで、次に考えたいのが「自分の意思をどう残すか」です。
代表的な方法が「遺言」ですが、それ以外にも、
・エンディングノートなどで考えを書き残しておく
・家族にあらかじめ話しておく
・財産の一覧や連絡先をまとめておく
といった方法もあります。
形式や方法はひとつではありません。
大切なのは、「自分はどうしたいか」を、何らかの形で伝えられるようにしておくことです。
制度を知ったうえで、どうするかを考える
相続の制度は、すべてを細かく理解する必要はありません。
ただ、「こういうしくみになっているんだな」と知っておくだけでも、見え方は大きく変わります。 そのうえで、自分なりの考えを少しずつ整理していくこと。
それが、これからの安心につながっていきます。
元気なうちに書き出してみると、残しておきたい「意思」はたくさん出てくるものです。
→ 相続は「まだ先」じゃない?元気なうちに考える理由
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