家を買うか迷ったときに考えたいこと

くらしとお金のアドバイザー、ファイナンシャル・プランナーの水島幸代です。
住まいについて考え始めると、多くの人が「家を買うべきか、それとも賃貸のままがいいのか」と悩みます。最近は、住宅ローンの金利上昇や住宅価格の動きを受け、「今のうちに買った方がいいのでは」と考える方も増えているようです。
けれど、本当に大切なのは、それだけでしょうか。
私は、住まいは「不動産を買う」という話ではなく、「これからどんな暮らしを送りたいか」を考えるライフプランの一部だと思っています。
たとえば、こんなことを考えてみたことはあるでしょうか。
・ この地域で長く暮らしたいのか
・ 転勤や転職の可能性はあるのか
・ 子育てや教育費とのバランスはどうか
・ 親や自分たちの介護が必要になったとき、どんな暮らしになるだろうか
・ 老後も安心して住み続けられるだろうか
こうした問いは、住まいが単なる「買い物」ではなく、人生設計そのものと深く関わっているからこそ生まれてきます。そして、これらは住んでみなければわからないことも多い。
だからこそ、購入前に「なぜ自分はこの住まいを選ぶのか」を一度じっくり考えておくことに意味があると思っています。
判断基準の見つけ方
最初から「これが正解」と決めようとしなくても大丈夫です。
まずは「自分はどんな暮らしを望んでいるか」を書き出してみる。
家族がいれば、パートナーや親、子どもとも話し合ってみる。
そうして少しずつ自分たちの優先順位が見えてきたところで、資金面の現実と照らし合わせていく。
「いくら借りられるか」を考えるのは、そのあとでも遅くありません。
お金の不安が先に立って身動きが取れないときは、独立系のFPに相談してみるのも一つの選択肢です。特定の金融機関や不動産会社に属していないFPは、商品を売る立場ではないため、自分の状況をひとつひとつ整理しながら相談を進めやすいでしょう。
それぞれの理由がある
私自身も、住まいについて真剣に考えたきっかけがありました。
四半世紀も前のことですが、当時は賃貸住宅を借りる際に保証人の収入証明も求められることが多く、親が年金生活に入ったこともあり、希望した物件に入居できなかった経験があります。
現在のような家賃保証会社はまだ一般的ではなく、保証人の条件を重視するオーナーも少なくありませんでした。
一人っ子の私には、この先、保証人を頼める人がいない。そこでふと考えました。
不動産を所有することが、自分の信用を支えるものになるのではないか、と。
私にとっては、一人っ子でおひとりさまであることが、住まい購入に踏み切る判断基準となりました。
「損か得か」より「どう暮らしたいか」
ただ、これはあくまで私自身の事情から選んだ判断です。
転勤が多い方、ライフスタイルの変化が予想される方、住む場所にこだわりがない方には、賃貸という選択が合っている場合もたくさんあります。
「家を買うこと」が正解なのではありません。 住まいを選ぶときは、「損か得か」だけではなく、「自分はどんな暮らしを望んでいるのか」「なぜその住まいを選ぶのか」という視点もぜひ持ってみてください。
住まいを選ぶ理由は人それぞれでいい。大切なのは、その選択が自分のライフプランの一部になっていることだと思っています。
くらしとお金は、切り離せないもの。お金のための計画ではなく、「くらしのための計画」として、ゆるやかに向き合っていけたらいいですね。
→くらしとお金の向き合い方|ライフプランという小さな一歩
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