「経済行動学」と、少し距離を置きたい私の話

「経済行動学」という言葉、最近よく見かけるようになりました。
簡単にいうと、人がお金や選択とどう向き合うかを、「実際の行動」から読み解こうとする考え方です。

行列ができている店はおいしいはずと思って並んでしまう。
「今だけ限定」と言われると、つい買わないと損な気がしてしまう。
みなさんにも、思い当たることがあるかもしれません。

機械と違い、人は感情を伴ういきものなので、いつも合理的に動くわけではない――そんな前提に立って、「なぜつい無駄遣いしてしまうのか」「なぜ同じものでも見せ方で選び方が変わるのか」といったことを分析します。

こうした特性は、マーケティングや制度設計にも活用されています。
ちょっとした表示の仕方や選択肢の並べ方で、人の行動が自然と変わるように工夫されているのですね。

……と、ここまで聞くと「なるほど」と思う反面、私は少しだけ引っかかることがあります。

この分野、試験問題になると急に「正解がひとつ」になるのです。

でも、人の行動って本当にそんなに均一でしょうか。

たとえば「残りわずか」と書かれていても、私は「本当に必要かな」と一度立ち止まるタイプです。
急かされるほど、むしろ距離を置きたくなることもあります。

どちらかというと、自然に合理的な判断をするほう。
だからこそ、「人はこういう場面ではこう動く」と決めつけらることに違和感があります。

多様性が大事と言われる時代に、「人はこう動くもの」と一括りにされるのは、少しだけ窮屈。

もちろん、傾向として知っておくのは大切。
でも、それに自分を当てはめすぎなくてもいいのかな、とも思っています。 人の数だけ、選び方がある。
そんな前提も、忘れずにいたいところです。