相続は「まだ先」じゃない?元気なうちに考える理由

くらしとお金のアドバイザー、ファイナンシャル・プランナーの水島幸代です。

「相続のことなんて、まだ先だから…」
よく聞く言葉です。偶然このコラムをご覧のあなたも同じことを考えていたのでは?
それでも何となく気になり、他の人はどうしているんだろうと、つい気になってしまうものです。

引き継ぐ先は自分で決める

たしかに、「相続」という言葉には、少し重たいイメージがありますよね。
縁起でもない、と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

でも、相続は「そのとき」の話だけではありません。

むしろ大切なのは、元気な今のうちに、どんなふうに引き継ぎたいかを考えておくこと。
そして、そのための準備を、少しずつ整えていくことです。

たとえば——
・自分の財産がどこにどれくらいあるのか
・誰に、どのように引き継ぎたいのか
・いざというとき、手続きで困る人はいないか
こうしたことは、判断力がしっかりしている今だからこそ、落ち着いて考えられるものです。

先送りにしないことが大切

まだ大丈夫と思っていても、体調の変化や判断力の低下が起きてからでは、できることが限られてしまうこともあります。

「まだ先のこと」と思っていたはずの相続が、
気づけば、介護や医療の判断と重なりながら、少しずつ現実になっていく——
そんなケースも、めずらしくありません。

だからこそ、相続は「いつかの出来事」ではなく、
くらしの延長線上にあるものとして、少しだけ意識しておくことが大切です。

一歩踏み出すきっかけは、意外と身近に

では、どこから手をつければよいのでしょうか。

実は、難しく考える必要はありません。まずは「自分の財産を書き出してみる」だけでも十分です。
預貯金の口座がいくつあるか、加入している保険の内容は把握しているか——そうした「見える化」から始めるだけで、ぼんやりしていた全体像が少しずつ整理されていきます。

また、家族に「自分はこう考えている」とひとこと伝えておくだけでも、いざというときの安心感がまるで違います。
完全に決めなくても、話し合う習慣をもっておくことが、何よりの備えになるのです。

身の回りから、やさしく整理

「相続の備え」と思うと、どうしても重い腰が上がりにくいものです。
長い人生で少しずつ増えてきた荷物を、ゆっくり見直していく——
そんなふうに考えてみてもよいのかもしれません。

身近なものからでも、かまいません。
思い出の品をどうするか。
たとえば、大切にしていた着物などを、誰に引き継いでもらえたらうれしいか。

そうしたことを少し考えてみるだけでも、
「そのとき」に向けた準備は、もう始まっています。

大切なのは、完璧に整えることではなく、
自分なりの「引き継ぎ方」を考えてみること。 その小さな積み重ねが、これからの安心につながっていきます。

元気なうちに、介護の備えも始めておきたいものですね。
→ 介護の備えは「親主導」で。元気なうちに始めたい準備とは

FPあくあ屋は、あなたの学びを応援します。