子育て世代のお金の見通し術|子どもが育つにつれ、お金も変わっていく

くらしとお金のアドバイザー、ファイナンシャル・プランナー水島幸代です。
子育て中のご家庭からよく聞く言葉があります。
「なんとなく不安」
教育費のこと、住宅のこと、老後のこと。
それぞれは”いつか考えよう”と思っていても、子どもが小さいうちはまだ先の話のように感じられる。 でも、気づけばあっという間に時間が過ぎていく——。
そんな感覚、覚えがありませんか?
お金の不安は「子どもの年齢」と一緒に動く
子育て世代のお金の特徴は、子どもの成長に合わせて、必要なお金の種類と金額が変わっていくことです。
たとえば——
- 乳幼児期は、日々の生活費と医療費が中心。出費は比較的読みやすい時期です。
- 小学校入学前後から、習い事・学校外の教育費が少しずつ増えはじめます。
- 中学・高校になると、教育費が一気に上がる家庭も多く、部活や受験関連の出費も重なります。
- 大学進学の時期は、入学金・授業料・一人暮らしの費用など、まとまったお金が必要になるタイミングです。
この流れを「なんとなく」ではなく、「わが家ではいつ頃、どのくらいかかりそうか」と時間軸で考えてみるだけで、漠然とした不安は少し輪郭を持ちはじめます。
「備える」だけでは足りない理由
将来への備えとして、保険や資産形成を考えている方は多いと思います。 「まずはこの2つを知りたい」というご相談も、よくいただきます。
どちらも大切な手段であることは間違いありません。
ただ、見通しのないまま始めると、「これで足りているのかな」という気持ちが残りやすいのも事実です。
たとえば、毎月1万円の積み立てをしていても、「子どもが大学に行くとき、いくら必要なのか」が分からなければ、安心には結びつきにくい。
保険も同じです。 どんな保険が必要かは、家族構成・収入・貯蓄の状況・どこまでのリスクを自分で引き受けられるか——それぞれの家庭の事情によって、答えは変わります。
「みんなが入っているから」ではなく、「わが家には何が必要か」を考えるための土台が、まず知識です。
大切なのは、手段を選ぶ前に、「いつ・どんなお金が必要になりそうか」の見通しを持っておくこと。 そして、選択肢を知ったうえで、自分のために選べる状態をつくっていくことです。
資産形成も保険も、”選ぶための知識”があってこそ、自分のための手段になります。
では、そのために何を知っておくといいのでしょうか。
子育て世代が持っておきたい「3つの視点」
お金の整理が難しく感じるのは、考えることが一度に重なりやすいからです。 少しだけ分けて考えると、整理しやすくなります。
① 「いつ・いくら」の見通しを持つ
子どもの進学時期に合わせて、大きな出費がありそうな時期をざっくりと書き出してみましょう。正確でなくて大丈夫です。「小3で習い事が増えそう」「高校は私立かもしれない」くらいの感覚で十分です。
② 「今の家計」を知る
収入と支出のバランスを確認することで、「どのくらい備えられるか」が見えてきます。家計簿が苦手でも、ざっくりした収支の把握でかまいません。得意な方は、家計を「見える化」しておきます。
③ 「もしも」に備える余白を持つ
子育て中は予定外の出費もつきものです。急な病気、家電の故障、学校行事の費用……。資産形成とは別に、すぐ使えるお金の余裕も意識しておくと、いざというときに慌てにくくなります。
まず、やってみてほしいこと
難しいことを一度に全部やろうとしなくて大丈夫です。
まず一つだけやってみるとしたら——
子どもの年齢から、「お金がかかりそうな時期」を3つ書き出してみること。
たとえば、
・小学校入学
・中学受験か高校受験
・大学進学
など、わが家なりのイベントを並べるだけで十分です。
そこから、「じゃあ、何年後に(子どもが何歳の時に)、だいたいどのくらい必要そうか」を考えてみます。
そのうえで、もう少し整理したいと思ったときは、将来の収支をまとめた「ライフプラン」を考えることもできます。
不安をゼロにすることは難しくても、不安の正体を少しずつ知っていくことはできます。
子どもの成長は待ってくれません。でも、「知ること」はいつからでも始められます。
FPあくあ屋は、あなたの学びを応援します。

