背守り
実家の片づけをしていたら、ン十年前にあくあ屋本人がくるまれたと思われる、お宮参りの祝い着が出てきました。すでに他界した祖母の手作りです。麻の葉模様の背守りもついています。
着物の背には、通常、背縫い(縦に一直線の縫い目)があり、その縫い『目』が後ろを見張る魔よけの役目をしていました。ところが産着は小さいので、2枚の布を合わせる必要がなく、背に縫い目がありません。後ろを見る魔よけの目がない代わりに、背守りという飾り紋を糸で縫いつけます。
祖母が縫った背守りは、すくすくと、大きく丈夫に育つ麻の葉にあやかって、麻の葉の柄です。伝統的に子供の産着によく使われました。最近は、両親が好きな図柄、たとえばロケットやサッカーボールなどを紋デザインにおこし、刺繍することもあるようです。背守り、いま、むかし、ですね。
思いがけず発見した祝い着ですが、七五三のシーズンで着物のお子様たちをよく見かけることもあってか、祖母の思いをしみじみとかみしめる週末となりました。