着物買い取り業者
最近、大手の着物買い取り業者さんによるテレビ・ラジオのCM、雑誌の広告、ポストへのポスティング広告がお盛んです。これは便利~!とお電話して、買取をお願いする方も多いことでしょう。便利と思う方が利用すればよいものなので、これまでその内容(質)をあまり気に留めていなかったのですが、今日、ラジオから流れてきたCMに思わず手が止まってしまいました。
「あなたのお宅の箪笥に眠る着物を買い取ります!」
「え~ホント?いくらくらいになるのかしら?」
「弊社では、箪笥に眠る着物とアクセサリー合計で36万という実績もありますよ」
「わぁ~、家に眠っている着物が36万になるの?」
なんともおもしろすぎます。お気づきでしょうか?この会話、何か変だとは思いませんか??
そうです、買い手は「着物とアクセサリー」と言っていて、決して着物だけで36万円とは言っていません。昨今の金やプラチナの価格が上がっていますので、仮に大量のアクセサリーを処分する場合、それだけで35万円の値がつき、箪笥一棹分もある着物に合計1万円、ということはありがちです。別の業者に買取を依頼した方の例では、ミカン箱サイズの段ボールにぎっしり詰めてひと箱5000円だったという話を聞いたこともあります。
テレビに流すCMの料金を想像してみたことがありますか?ちょっとググってみてください。TVに支払う費用だけでなく、CMを作る費用も要るのです。買い取り業者がTVでCMを流していると、信用度が高いとか、安心な会社だと理解される方もいらっしゃいます。逆に、ぼろもうけしているからCMを流せるのだと思う方もいらっしゃいます。
では、箪笥に眠る着物はいくらなら適正価格なのでしょうか?
売ろうと思う着物一枚の想いに相応する値段は、持ち主にしかわかりません。100円でもいいから急いで持ち物を減らしたい人もいれば、売り値に執着する人もいます。また、いくらでもいいから大切に着てくれる人にしか譲りたくないと思う人もいらっしゃるでしょう。しかし、どんな場合でも、一度手を通したものは中古品です。値段をつけるということは、とても難しいですね。