祖母の嫁入り衣装
新年おめでとうございます。亥の年は魔女の一撃とともにやってきました。座るのも歩くのも寝るのも難儀しました。「ひぃひぃ言う」と言いますが、本当に痛いときは、声にならない声で「ひぃ・・・」と口から出るものだとつくづく思いました。今年最後のぎっくり腰であってほしいものです。
さて、正月早々に身動きの取れない状態となってしまいましたが、年末に、ものすごい掘り出し物が母の箪笥から出てきました。
明治生まれの祖母の嫁入り衣装です。今の留袖は、表に見えない下前にここまでしっかり模様は入っていません。左右合わせて対になった鶴の絵が見事に描かれています。絹も、羽二重のようにずっしり重くなく、とても細い糸で織られており、しなやかでふわふわに軽い着物です。白い襦袢の上に着ると、裏にあてた緋色が透けて見えて、赤みがかった黒に見えます。
祖母の実家は豪農だったと聞いたことがあります。裕福だったということでしょうか、美術品のような、すばらしい衣装です。小さいし、布も弱っているようなので、着ることはできませんが、大切に守っていきたいと思います。